ナーシングホーム 横浜・長者町 でも取り組んでいるタクティールケアについて少し書かせて頂きます。
「母がそろそろ施設入居を考える時期かも…」
「父の体力が落ちてきて、日常の会話も減ってきた…」
そんなふうに感じる瞬間が、きっと家族にはあるはずです。
でも、まだ「完全な介護状態」ではない。
そんな“あいまいな時期”にこそ、家庭でできるケアの一つとして注目してほしいのが、**「タクティールケア(Tactile Care)」**です。
これは、手でやさしく触れることで、心と身体の緊張をほどき、不安や痛みを和らげるケア。
スウェーデン発祥で、特に認知症や終末期ケアでの効果が知られていますが、家庭でも十分に実践可能です。そして何よりこのケアは、「家族の絆を深める手段」として、非常に力強いものなのです。
- タクティールケアとは?-
タクティールケアは、ラテン語の「Tactilis=触れること」に由来します。
特別な技術や資格がなくても、“やさしいタッチ”と“寄り添う気持ち”さえあれば誰でもできる、そんなシンプルで効果的なケア法です。
スウェーデンの看護師シヴ・アーレント(Siv Arentz)氏が開発したこの技法は、現在、医療・福祉の現場でも正式に導入されています。
◆ 効果は「手」以上に「心」に届く
•認知症の不安や混乱を和らげる
•痛み(慢性痛・関節痛など)の軽減
•孤独感・抑うつ感の軽減
•睡眠の質の向上
•家族との信頼関係の強化
なかでも家庭で注目したいのが、**「家族との関係が良くなる」**という効果。
特別な会話がなくても、手をそっと握るだけで、心がつながるのです。
- 家庭でタクティールケアを始める理由 -
◆ 入居を前にした“あいだの時間”が大切
介護施設に入ると、ケアの大半はスタッフが行います。もちろん丁寧な介護は受けられますが、「家族とのスキンシップの時間」はどうしても減ってしまうのが現実です。
だからこそ、入居前の“家族で過ごす貴重な時間”にタクティールケアを取り入れることで、「安心して介護のステージへ移行できる準備」が整うのです。
◆ 家族にとっても“癒し”になる
「介護疲れ」という言葉があるように、支える側の家族もまた、不安や疲労を感じています。ところが、タクティールケアは“支える側”にも癒しの効果があることがわかっています。
それは「お互いの温かさを実感する時間」が、ケアという行為を“やさしい会話”に変えるからです・・・・・・・・・
大切なご家族が少し弱ってきたかな?と感じたら
是非、試してみてください。