「死ぬまで自宅で住み続けることが本当の幸せ?」という問いが頭の中を駆け巡ります。
答えは簡単ではありません。日々介護の仕事に携わる私ですが、ご利用者さんのご自宅を訪問するたびに色々なことを考えさせられます。
先日、ある利用者さんの自宅を訪問した際の出来事・・・・
お部屋へ入ると昔飼っていた犬の写真や家族で行った旅行の写真などが飾ってありました。
何気なく「この右下に写っている方は〇〇さんですか?」と私が質問する。すると「そうそう、これは長男が小学校を卒業するときに、家族で〇〇〇に旅行へ行ったときの写真だよ・・・」と楽しそうに話してくれた。いつもそうだ、たいていの方は昔のことを楽しそうに話ししてくれる。家族のこと、ペットのこと、自分のこと、家のこと。
そして多くの場合「慣れ親しんだ自宅で最後まで暮らしたい」と強く切望している。
しかし現在の制度設計では課題や矛盾が多く、その願いを叶えることは難しい。
まず訪問介護サービスは、利用者のニーズに応じた柔軟な支援を提供することを目的としていますが、実際にはサービスの提供時間や内容に制約があることが多いです。
例えば訪問介護の時間が限られているため、身体状況(病気)によっては ニーズに応えることが難しい場合があります。これにより、利用者は十分な支援を受けられず、結果的に自宅での生活が困難になります。
また、訪問介護を利用するためには、一定の条件を満たす必要があります。これにより、支援が必要な方がサービスを、必要な回数で受けられない場合もあり、制度の利用において不平等が生じることがあります。特に、経済的な理由や地域のサービスの充実度によって、受けられる支援に大きな差が出ることは、制度の根本的な矛盾と言えるでしょう。
訪問介護は介護者(主介護人)の負担を軽減することを目的としていますが、実際には制度改定による基本報酬の引き下げや、少子高齢化の影響による担い手の不足により、全体のサービス提供量が低下し、
これまた、十分なサポートを受けられない等の報告が聞かれます。このように、制度設計の不備が利用者と介護者(主介護人)そして多くの介護事業者に影響を及ぼしているように感じます。
結局のところ、「死ぬまで自宅で住み続けることが本当の幸せ?」とは、単に自宅に居続けることだけではなく、必要な支援を受けながら安心して生活できる環境が整っていることが重要です。
その理想を実現するためには、制度設計の見直しや担い手(人材)の確保が不可欠であり、社会全体での取り組みが必要です。
私も50歳を過ぎ、体力の衰えを感じるようになりました。団塊の世代ジュニアと言われている私たち世代も、残された人生で何が出来るか・・・「生涯現役、ずっと働き続けたい」との理想はありますが、現実は難しいでしょう。
この仕事を始めたころ、ベテランの女性ヘルパーさんに「介護の仕事は奥が深いよ!単純じゃない、だから面白いんだよ!」と言われたことがあります。
当時は「このひと何言って言っているんだ?」と思っていましたが、今になって分かってきたような気がします。※あの頃の自分に会えたら殴ってやりたいですね。
この奥が深く価値ある介護の仕事 一緒に挑戦してみませんか??
どうぞよろしくお願いいたします。